伊豆市瓜生野に残る大仁鉱山跡。
ここを最初に開発したのは大久保長安です。
すでに廃坑となって久しいですが、この地には長安の事蹟がいくつか残っています。
まずは、鉱山の麓にある昌徳院入口の「大久保長安の側室碑」。
長安の死後に建てられたもののようで、長安の大切にしていた女性が祀られていると思われます。
次は、大仁金山跡を紹介。
長安が開発してのちは一旦閉山しますが、
昭和初期に帝國産金工業株式会社が再開発に着手。
その名残で、山肌にコンクリートのピラミッドがそびえるような異様な光景を現在に留めています。
この写真の左手の山道を行くと、廃墟と化した山神社がひっそりと佇んでいます。
鉱山の安全な開鑿を祈願したものでしょう。
その近くに、植生に覆われ、藪の中に没した碑があります。
それが「大久保石見守長安公の碑」。
カビによる斑点が目立ちますが、彫りが深いため、文字ははっきり読めます。
昭和9年12月、石川博資氏という方が建てたと裏面にあります。
さらに山神社には、武者小路実篤の文選・揮毫になる大仁金山顕彰碑が建てられており、
そこにはちゃんと、大久保長安が慶長年間に発見したものと記されていました。
大仁鉱山は修善寺温泉のすぐそばです。
温泉ツアーを兼ねて長安の遺勲に触れてみてはいかがでしょうか?